チョコレット
表参道にあるピンポイントギャラリーさんが2018年2月22日で30周年を迎えられるそうです。それをお祝いする企画展が来週から開かれます。

ピンポイントギャラリー30周年記念
「わたしの一冊、あなたへの一冊」100人展
2月19日(月)〜3月3日(土)
11:00〜19:00(土曜日17:00まで、日曜休み)

茶色い無地の表紙の文庫本が送られてきて、その表紙を描いてくださいということでした。
「巡り会った、感動した、思い出のある本のイメージ。それぞれの人生にとって大きな巡り会いであった一冊を表現してください」と添えられていました。これを読んでパッと浮かんだ本、

『チョコレット』稲垣足穂

にしました。大正十一年三月に発表された足穂22歳のときの作品です。
(稲垣足穂といえば『一千一秒物語』がいちばん知られていますね。)
『チョコレット』は…小妖精なのか“ほうき星”なのか…どちらかはっきりしない「ロビン・グッドフェロウ」さんが、ある明け方、錫紙で包まれたチョコレートの中に入ったきり出てこなくなってしまう物語です。どうして入ることになったのかは省きますが、ポンピイという少年が、ロビン・グッドフェロウをチョコレートの外へどうにかして呼び戻そうと試みます。だけどもうまく事が進まない。よし、もうこのままチョコレートは棄ててしまおう、だけどそんなことをしたら中に入っているロビンはどうなるのだろう、だけど…

稲垣足穂は、あるとき「好きだと思うから読むといい」と教えてもらいました。確かに合っていた。短いお話なので、思い立ったときにすぐに読めてしまう。一人で読んでいるだけで満足。でも今回絵にするにあたり、なぜ惹かれるのかというそのわけに思いを巡らす時間を持つことができました。今回の本というテーマは、とても素敵なテーマだなと思いました。どうもありがとうございました。感謝しております。
時代や場所に捕われない、これからも決して損なわれることのない美しいなにかが『チョコレット』他、いつくかの作品の中にはちりばめられているように感じます。

ただ、足穂さんは強烈な作品も多いので。。。読んで行くにはまだまだ鍛錬が必要です。

2018/02/14 14:08 | Comments(0) | イラスト

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