昨日、『プンとフォークン』の絵本の入稿を終えました。
この2ヶ月くらいずっと描いていました。最後は本当にずーっと描いていました。今日は13時間眠りました。一番始めに黄色い表紙を描いているときに東日本大震災が起こりました。(結局この表紙は使わないことになったけど。)同じに見えるけど違う世界に来てしまったような、現実離れした2ヶ月です。
この2ヶ月くらいずっと描いていました。最後は本当にずーっと描いていました。今日は13時間眠りました。一番始めに黄色い表紙を描いているときに東日本大震災が起こりました。(結局この表紙は使わないことになったけど。)同じに見えるけど違う世界に来てしまったような、現実離れした2ヶ月です。
いろんなタイプの作家がいると思うけれど、私は100%浸かりたいタイプです。ようやく念願の絵本の世界にどっぷり浸れると思ったそのときに震災があり、このことばかりが頭を占める毎日でした。ほとんどの人がそうだと思うけど、自分はここでこんなことをしていていいのかという気持ちになり毎日泣いていました。命のことばかり考えていました。私の個の存在なんてちっぽけで、過去と未来の時間の中、近い遠いの空間の中、そんな大きな流れの中に含まれる小さな点みたいなものだと感じた。たまたま今残されているけど、そのうち流れていってしまうもの。それで何をして生きるのかを考えていくと、大切にしたい世界が見えてきて考えがよりシンプルになった気がする。
4月を過ぎて、だんだん気持ちが平らになってきました。家族が出てくる話なので、参考に自分の子ども時代の写真を見たりしていて、幼かった頃のことや今まであったことを思い出していました。(ああ、私は今絵本の絵を描いているんだな)と感謝せずにはいられない気持ちになりました。そのうち描きながら他のお話のことを考えようかなと思ったとき、描いているキャラクターが(ん!)と焼き餅を焼いた顔に見えたので、(うそだよ)と思って止めました。
4月後半はかなり浸かっていて、描きながら話しかけていました。「よーしみんな。今から服を描くよー。1時までに描くよ!じゃ〜、キミからだっ」とか言っていました。1時というのは午後の1時です。
入稿1週間前に表紙を変えることにして、ノリノリで描き始めたのになかなか思うようにいきませんでした。(いいかんじ)と思って寝て、次の日起きて見ると(違う)と思って泣いての繰り返しで、勤めていた会社の先輩に昔「泣いてたら仕事できないじゃん」と言われた言葉を思い出しすぐに泣き止み、そうしてまた塗っていくと気に入ってきて、と不安定になっていました。絶対に褒めてくれる母と妹に何度も画像をメールして、励ましてもらいました。最終的には好きな表紙になりました。入稿の日の朝、あれ?と思ってカーテンを開けたら空がすごくきれいなピンクに染まっていました。表紙がピンクなので、あれーと思ってなんだかうれしかったです。あっという間に水色になりました。地球回るの速いな。
これから校正とか印刷とか、もうちょっと続くのがうれしいです。それからわかったのですが、私は描きながら膨らむタイプでもあるので、いいのか悪いのかわかりませんが、本番はラフより楽しいものになるような気がします。
絵本を作るには体力が要ると思い、これから30年くらい真面目にプールに通おうと思います。本屋さんに並んだ後は、不安な気持ちは一切見せずに「自信作です!」と言うつもりです。
4月を過ぎて、だんだん気持ちが平らになってきました。家族が出てくる話なので、参考に自分の子ども時代の写真を見たりしていて、幼かった頃のことや今まであったことを思い出していました。(ああ、私は今絵本の絵を描いているんだな)と感謝せずにはいられない気持ちになりました。そのうち描きながら他のお話のことを考えようかなと思ったとき、描いているキャラクターが(ん!)と焼き餅を焼いた顔に見えたので、(うそだよ)と思って止めました。
4月後半はかなり浸かっていて、描きながら話しかけていました。「よーしみんな。今から服を描くよー。1時までに描くよ!じゃ〜、キミからだっ」とか言っていました。1時というのは午後の1時です。
入稿1週間前に表紙を変えることにして、ノリノリで描き始めたのになかなか思うようにいきませんでした。(いいかんじ)と思って寝て、次の日起きて見ると(違う)と思って泣いての繰り返しで、勤めていた会社の先輩に昔「泣いてたら仕事できないじゃん」と言われた言葉を思い出しすぐに泣き止み、そうしてまた塗っていくと気に入ってきて、と不安定になっていました。絶対に褒めてくれる母と妹に何度も画像をメールして、励ましてもらいました。最終的には好きな表紙になりました。入稿の日の朝、あれ?と思ってカーテンを開けたら空がすごくきれいなピンクに染まっていました。表紙がピンクなので、あれーと思ってなんだかうれしかったです。あっという間に水色になりました。地球回るの速いな。
これから校正とか印刷とか、もうちょっと続くのがうれしいです。それからわかったのですが、私は描きながら膨らむタイプでもあるので、いいのか悪いのかわかりませんが、本番はラフより楽しいものになるような気がします。
絵本を作るには体力が要ると思い、これから30年くらい真面目にプールに通おうと思います。本屋さんに並んだ後は、不安な気持ちは一切見せずに「自信作です!」と言うつもりです。
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コメント
おつかれさまでした!
絵本を描いているという喜びと震災の悲劇という葛藤の中、いろんな気持ちが込められた作品になったようですね☆
書房に並ぶのを楽しみにしてます♪
絵本を描いているという喜びと震災の悲劇という葛藤の中、いろんな気持ちが込められた作品になったようですね☆
書房に並ぶのを楽しみにしてます♪
posted by kitamura at
2011/05/18
11:28
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どうもありがとう!
勢いで書いてしまうこのノリの内容は、恥ずかしくてもう視線を合わせられないよ。
いろいろな気持ちの混ざった本だけど、本の中は、愉快でのんきで幸せそうだよ。
お楽しみに!と自信を持って言える人になりたいなぁ。来年くらいに。
勢いで書いてしまうこのノリの内容は、恥ずかしくてもう視線を合わせられないよ。
いろいろな気持ちの混ざった本だけど、本の中は、愉快でのんきで幸せそうだよ。
お楽しみに!と自信を持って言える人になりたいなぁ。来年くらいに。
posted by 西野沙織 at
2011/05/19
02:36
[ コメントを修正する ]
おつかれさまです。 私も
楽しみにしていますよ~♪
“もの”を創るって、スゴイことだと思います。 私共は
どなたかの創られたものを、自分なりに解釈して
自分なりの表現をする訳ですが、やはり作者の思いを
大切にしていきたいと、いつも思っています。
たとえば、朗読をするとき、読点ひとつも、打たれている意味
逆に、打たれていない意味を考えます。
だって、まさに作者が心血を注いだ作品なのですから、私たちも
精一杯取り組まなくてはね!!
10日のこの記事を拝読したとき、熱い思いが伝わってきて
胸が痛くなるほどでした。
いせひでこさんという作家(画家)をご存じかと思います。
あのかたも、かなり「もがく」ようですね。
柳田邦男氏は、人生で絵本に出会う時期は3回あると
おっしゃっていますね。
最初は、子どもとして親から与えられるとき。
次は、親として子どもに与えるとき。
そして三回目は、自分自身のために読むとき。
『大人こそ絵本を』との提唱に、大きく頷く私です。
これからの一層のご活躍をお祈り致します。
楽しみにしていますよ~♪
“もの”を創るって、スゴイことだと思います。 私共は
どなたかの創られたものを、自分なりに解釈して
自分なりの表現をする訳ですが、やはり作者の思いを
大切にしていきたいと、いつも思っています。
たとえば、朗読をするとき、読点ひとつも、打たれている意味
逆に、打たれていない意味を考えます。
だって、まさに作者が心血を注いだ作品なのですから、私たちも
精一杯取り組まなくてはね!!
10日のこの記事を拝読したとき、熱い思いが伝わってきて
胸が痛くなるほどでした。
いせひでこさんという作家(画家)をご存じかと思います。
あのかたも、かなり「もがく」ようですね。
柳田邦男氏は、人生で絵本に出会う時期は3回あると
おっしゃっていますね。
最初は、子どもとして親から与えられるとき。
次は、親として子どもに与えるとき。
そして三回目は、自分自身のために読むとき。
『大人こそ絵本を』との提唱に、大きく頷く私です。
これからの一層のご活躍をお祈り致します。
posted by ゆうゆ at
2011/05/21
10:37
[ コメントを修正する ]
ご丁寧に、どうもありがとうございます。
身が引き締められる思いです。
読点ひとつにも、気持ちを込めていかなくてはなりませんね。
声のお仕事も、読解力や表現力や記憶力や、本番に強いところや堂々としているところなど、うまく書けませんがとても尊敬しております!特別なことだと思います。
柳田邦男さんのお言葉は、なるほどと思いました。
いろいろな読み物がありますが、絵本を開くと「ああ、やっぱり絵本の中はいいなぁ」と思わされます。自分の力の無さに愕然とする日々ですががんばりたいです。私のもがきはまだ足りないんだと思います。
こういう風に見てくださる方もいらっしゃるんだなと、責任も感じました。どうも、ありがとうございます!
身が引き締められる思いです。
読点ひとつにも、気持ちを込めていかなくてはなりませんね。
声のお仕事も、読解力や表現力や記憶力や、本番に強いところや堂々としているところなど、うまく書けませんがとても尊敬しております!特別なことだと思います。
柳田邦男さんのお言葉は、なるほどと思いました。
いろいろな読み物がありますが、絵本を開くと「ああ、やっぱり絵本の中はいいなぁ」と思わされます。自分の力の無さに愕然とする日々ですががんばりたいです。私のもがきはまだ足りないんだと思います。
こういう風に見てくださる方もいらっしゃるんだなと、責任も感じました。どうも、ありがとうございます!
posted by 西野沙織 at
2011/05/22
03:00
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書店に並ぶのが楽しみだね。