ふーちゃんのおつかい
夕暮れ時、お母さんが
「お豆腐とお麩を買ってきてくれる?」
とふーちゃんに言いました。
「はーい」
(そうだ、今日は風船で行っちゃおう)
ふーわふわふわ ふーわふわ。
おつかいからの帰り道、向こうの方からベルをチリンチリンと鳴らしながら
知らない龍のおじさんがやってきました。
肩にたんぽぽを乗せています。
すれ違いながらおじさんが
「ふーちゃんおつかいかい?気をつけてね」
と言いました。
ふーちゃんは名前を呼ばれてびっくりしましたが
にこっと笑ってうなずきました。
肩に乗せているたんぽぽから綿毛がふわふわ飛んでいます。
ふーちゃんのあとを綿毛が1本着いてきて
ふーちゃんが家に帰るまで見守っていてくれました。