今年の6月のことですが、『医療的ケアと共に… 〜ひとりひとりの成長を願って〜』という市の冊子の挿絵を描かせていただきました。最近になって、表紙の絵も中の絵もちょっと描き足したくなってちょこちょこ描き足しました。
『ワンダーブック3月号』(世界文化ワンダークリエイト)のシールを貼って遊ぶページ「たのしいにんじんゆうえんち」の絵を描かせていただきました。
この3月号では全ページを通していろいろなところにダンゴムシが隠れていて、それを見つけるのも楽しい1冊になっています。
『赤い三角屋根の家』
うさぎのぴょんこが、道に雪だるまをいくつも並べて作りながら、遠くへ行ってしまった年の離れたお兄ちゃんが久しぶりに帰ってくるのを今か今かと待っていると、リリーンリリーン…ふいにどこからか、風の音に混じって聞いたことがない変わった音が聞こえてきました。
「なにかしら」
耳をぴんと立てて辺りを見回すと、ぼんやりと赤い三角屋根の小さな家が雪の中に建っているのが見えました。
「あんなところにおうちあったかしら」
近づいてみると、家の中で誰かがつっかえつっかえ演奏をしているのが聞こえました。聞いたことがある曲ですが何の曲か思い出せません。その曲はぴょんこにとって何か楽しい気分になる曲だったような…。ぴょんこは家の中が気になって、窓からそっと気付かれないように片目で覗いてみました。小さなこたつが見えました。それからこたつの上のたいやきが、ひれでオイデオイデとぴょんこに手まねきをしました。
身軽なぴょんこはおそるおそる窓に足をかけて中に入ってみました。部屋の中は暖かです。こたつに足を入れました。
魚たちはぴょんこが入ってきたことがうれしいようです。ぴょんこの周りをくるくると回りながら何か聞き覚えのある歌を歌っていますが、泳ぎながら歌っているので声が揺れてよく聞こえません。魚たちはりんごの笛の穴に顔をつっこんだり、トライアングルの三角の輪のとぎれた部分にわざと体をはさませたりして遊びながら泳いでいます。演奏の邪魔になりますがそこにいるみんな楽しそうにしています。
見ているうちにぴょんこはふと、笛を吹いているのは前にお兄ちゃんが送ってくれたあの爽やかなりんごで、トライアングルをたたいているのは夏のお祭りでお兄ちゃんと一緒に食べたフライドポテトかもしれない…と思えてきました。たいやきは…と眺めていたとき、1匹の魚が鈴の輪をくぐりながら口ずさんでいる歌がぴょんこの耳に届き、ハッと思い出しました。
「この歌はお兄ちゃんがときどき歌っていた歌だ」
お兄ちゃん、きっとそろそろ帰ってくる。
ぴょんこが
「ありがとう、さようなら」
と立ち上がろうとすると、こたつの中からもぞもぞと網を持った小さい人が現れて、
「ウン、マタネ。オニイチャンモウスグカエッテクルヨ」
と言いました。その声を後ろに風の中で聞きながら、ぴょんこは雪の中を駆けていきました。
お兄ちゃんのおみやげはまだ温かいたいやきでした。
次の日もその次の日も、ぴょんこはお兄ちゃんと遊んだりいろいろお手伝いをしたりして過ごし、その不思議な赤い三角屋根の家のことをすっかり忘れていました。それからずっとあとになって思い出し、赤い三角屋根の家を探しましたが、それっきり、どこにも見つかりませんでした。でもぴょんこは、確かあのとき風の中で「マタネ」と聞いたような気がして、きっといつかまたあのときぴょんこの体を温めてくれた、あの不思議な家に行けるような気がしています。
例年に引き続き、今年も株式会社ツクイさんのカレンダーと年賀状の絵を描かせていただきました。ありがとうございます。卯年なので、うさぎさんがシュノーケリングをしたり、俳句を詠んだり、温泉に浸かったりしています。心穏やかに平和に過ごせる毎日になりますように。今年もよろしくお願いいたします!
昨日、静岡市清水区高部生涯学習交流館にて「師走の朗読会」がありました。
私は会場へは行っていないのですが、ボランティアで新聞の記事などを読んで録音し目の不自由な方がいらっしゃる施設へ届けたりしている朗読グループ(そのうち一人は私の母…)が朗読会を開きました。
9時半から11時半と2時間たっぷりで、浅田次郎の短編の朗読、浜田先生による楽器の生演奏コーナー「浜ちゃん音楽コーナー ♪」、椋鳩十「片耳の大鹿」(1951年)の朗読がありました。(浜田先生はさくらももこの小学5、6年生のときの担任の先生だそうです。)音楽コーナーではお客様と一緒にやる手指の体操など浜田先生が取り入れてやられていて、とても盛り上がったそうです。そして「片耳の大鹿」のとき、浜田先生のピアノ、オカリナ、クラリネットの生演奏に合わせて、紙芝居のようにスライドで絵を映しながら朗読をしたそうで、その絵を描いて使ってもらいました。60人くらいお客さんがいらしたそうで、うまくいったようでホッとしました。聞きに来てくださった方々、どうもありがとうございました。
私は会場へは行っていないのですが、ボランティアで新聞の記事などを読んで録音し目の不自由な方がいらっしゃる施設へ届けたりしている朗読グループ(そのうち一人は私の母…)が朗読会を開きました。
9時半から11時半と2時間たっぷりで、浅田次郎の短編の朗読、浜田先生による楽器の生演奏コーナー「浜ちゃん音楽コーナー ♪」、椋鳩十「片耳の大鹿」(1951年)の朗読がありました。(浜田先生はさくらももこの小学5、6年生のときの担任の先生だそうです。)音楽コーナーではお客様と一緒にやる手指の体操など浜田先生が取り入れてやられていて、とても盛り上がったそうです。そして「片耳の大鹿」のとき、浜田先生のピアノ、オカリナ、クラリネットの生演奏に合わせて、紙芝居のようにスライドで絵を映しながら朗読をしたそうで、その絵を描いて使ってもらいました。60人くらいお客さんがいらしたそうで、うまくいったようでホッとしました。聞きに来てくださった方々、どうもありがとうございました。